Saturday, November 26, 2011

道を誤ったチェルシーに降りかかる危機

ホームでアーセナル、リバプールに連敗、不安定なディフェンスと噛み合わない戦術からチェルシーのアンドレ・ヴィラス・ボアスに吹き付ける逆風が一気に強まっている印象。これを「テレグラフ」紙のジェイソン・バート記者が各ポイントごとに指摘。さて、アブラノビッチの思いは…。


++(以下、要訳)++

不発気味のストライカーに規律の無さ、監督交代、チームの高齢化。チェルシーは下降期に直面していて、ここ7試合で4敗を喫している。


チーム

チェルシーは高齢化している。言い方を変えるなら、依然としてチームの核を30歳を超えるベテランに依存していて、その中には急速な衰えを見せている選手もいる。そして、それはモウリーニョ時代に「アンタッチャブル」で、今もチームに残って根幹を形成している選手たちに起きているのだ。

彼らは、当時以来そのままクラブに残っているが、時間の経過は世代と共に進み、アシュリー・コールやペトル・チェフにも衰えは出始めているのだ。例えば、存在感を下げているフランク・ランパードをどう使っていくか、出ていくであろうニコラ・アネルカやディディエ・ドログバの場合はどうか、そういう問題だ。

問題のひとつは、30代の選手たちが依然として大型契約で居座っていることだ。彼らはロンドンが大好きで、それを変えるのが難しいことはこの夏に実証済みだ。

ティボ・クルトワ、オリオール・ロメウ、ロメル・ルカクといった若い選手たちが加入し、監督はプロセスを加速させることを求められている。しかし、このうち何人がトップで通用するだろうか?この問題はカルロ・アンチェロッティが指摘した点で、23~27歳という世代に主力選手がいないことを個人的に懸念していた。

チェルシーは、フェルナンド・トーレスやダヴィド・ルイスの獲得によってこのギャップを埋めようとしたもの、今のところ機能してるとは言えず、ルカ・モドリッチやアルバロ・ペレイラについては獲得に失敗した。ベテランへの依存度を下げるには、この冬と来夏にまたトライする必要がある。


フェルナンド・トーレス

チェルシーの問題点を議論する時にトーレス個人を上げるのはアンフェアに感じられるが、彼の苦悩と5,000万ポンドの値札がクラブへのインパクトに直結し、ヴィラス・ボアスの首すら左右しかねない状況だ。同時に、クラブの無計画さをそのまま示してもいる。

ロマン・アブラモビッチは、それほど長くフェルナンド・トーレスを追っていたわけではなく、失敗を派手に帳消しにするために、あれだけの大金をつぎ込んだのだ。チェルシーの監督を誰が務めるにせよ、このスペイン人ストライカーのベストを引き出さねばならず、少なくともその努力をしなければならない。

フアン・マタがやって来て、彼が活きる形のフットボールを展開し始めてはいるものの、トーレスは未だに居心地悪そうに見える。トーレスに合わせるというのは、チェルシーの取っては磨耗の大きいプロセスで、トーレスの調子が監督の未来を左右してしまうのだ。


移籍

金を使ってくれない、とアブラモビッチを責める者はチェルシーにはいないだろう。しかし、アプローチはしばしば場当たり的で、お祭りだったり大飢饉だったり不可解なものだ。むしろ、クラブの真ん中に、戦略の重大な欠陥があるのだろう。そして、クラウディオ・ラニエリの時代以来、一体誰がどういう理由で選手を獲得しているのか、良く分からないのだ。

確かにヴィラス・ボアスには前任者よりも強い権限があると言われているが、結果的には優柔不断のレッテルを貼られているし、そもそもこれまでチェルシーには、アブラモビッチ買収時のティエリ・アンリに始まり、この夏のルカ・モドリッチに至るまで、本命を獲得できないという認めたくない現実がある。


規律

今季のチェルシーは、イエローカードとレッドカードで苦しんでいる。昨季はリーグで4番目にクリーンなチームだった(イエローとレッド計59枚)が、今季は5枚のレッドカードを含め、最もダーティーなクラブとなってしまった。そして、ヴィラス・ボアス自身も、レフェリーについてのコメントでFAから罰則を受け、それに抗議しているところだ。


戦術

当時のCEOだったピーター・ケニオンが言ってから誰もが知るように、アブラモビッチは、ペナルティエリアの角からのスペクタクルなボレーシュートが決まって5-0で勝つような、ファンタジー溢れるフットボールを観たがっている。

アブラモビッチはスリルとゴール、トロフィーを望んでいる。モウリーニョが勝っている間は彼を気に入っていたが、トロフィーを勝ち取れなくなると、フットボールが仰々しいものになった。

ヴィラス・ボアスが持ち込んだのは、まったく新しい一面だ。しかし、これまでのところ、彼は「新しい」エキサイティングな何かを築くのに必要な骨格を作れていない。彼は守備陣に、より厳しいプレスとボールを奪ってのカウンター攻撃をするために高いラインを敷くように要求している。

その結果、これまで12試合で17失点、アラン・ハンセンには「ナイーブ」との批判を受け、これを続けられるのか、疑問符を付けられた。今のところ、ヴィラス・ボアスはそれを続けている。


監督

弱冠34歳、ヴィラス・ボアスは、アブラモビッチが魅力に感じるであろう監督の基準を満たしている。彼は昨季ポルトで全てを勝ち取り、新しいモウリーニョのようだった。ただ、自信の持ち方は共通していても、気性やアプローチは異なっている。

アブラモビッチが望んでいたのは、勝者のメンタリティを持ちつつ、対立的な側面が薄らいだモウリーニョであり、その気持ちから、来夏まで待てばフリーであったにも関わらず、ヴィラス・ボアスを監督として引き抜くために1,330万ポンドの違約金を支払ったのだ。

ヴィラス・ボアスには厳しい職業倫理がある。時に練習場で眠るほど良く働き、完璧な英語を話し、優れたコミュニケーターとして選手たちとも「良好な関係」を築いている。と同時に、彼が取るのはバルセロナのペップ・グァルディオラをモデルにした単一のアプローチであり、また常に几帳面なほどにフェアに見られようとしている。考えてみれば、全ての決断が選手たちに説明されてきたわけではなく、何人かの選手たちは良い気分ではないようだ。


オーナー

アブラモビッチ体制下で成功できる監督はいるだろうか?いや、長く成功できる監督はいるだろうか?彼は、誰とでも上手くやっているかと思えば、長期間不在になり、時には異常にクラブに厳しく関わってくる。

判断はしばしば迅速に下される。

朝起きた時に、単純に変化が必要だ、と考えることもあるだろう。周囲の人間たちともすぐに仲良くなったと思えば対立し、驚くほどグループの仲間に影響されたりもする。

アブラモビッチの「黄金のサークル」が全てを握っている限り、アブラモビッチのチームの監督が誰であれ、その監督の助けにはならないだろう。

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開幕前にスパーズがトップ4に返り咲くにはどうなれば良いのだろうと考えていた時に、一番イメージしやすかったのが、チェルシーがコケることだった。やっぱ新監督って難しいのよね。

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