Sunday, April 29, 2012

プレミアリーグの決着は、天王山のダービーへ

ダービーの月曜は、蒼き月曜(Blue Monday)か紅き月曜(Red Monday)か。 そんな見出しも踊り、月曜の決戦に向けメディアも盛り上がってきているマンチェスター・ダービー。こちらは早目に出ていたものだけど、BBCによるプレビュー的な記事。



++(以下、要訳)++

プレミアリーグは、過去20年のベストマッチの募集を既に始めているが、1週間ほど早過ぎたのではないだろうか?

マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソンはそう考えないだろうが、オールド・トラフォードで4-4のドローとなったエヴァートン戦には本物のスリルがあった。

そして、それに続いたウォルヴズでのマンチェスター・シティの勝利は、4月30日のエティハド・スタジアムでのマンチェスター・ダービーへの完璧なお膳立てをした。ファーガソンもこの試合を彼のクラブでの25年で「最も重要な」試合と位置付けている。

もちろん、シティがアーセナルに敗れ、ユナイテッドが8ポイントリードしていた2週間前とは全く異なる風景になっている。ロベルト・マンチーニ率いるシティは3連勝を飾り、その間12ゴールを重ね、差を3ポイントまで詰めて見せた。

この結果、ダービーで勝利することができれば、得失点差で上回っているシティが順位表のトップに立つことになる。

果たして、勝つための準備ができているのはどちらなのだろうか?

両チームのムード

アレックス・ファーガソン:「人生の中でも最も重要なダービーだろう。アウェーに乗り込まねばならず、確実に良いプレーをし、くだらない失点をしないことが重要だ。我々がエティハドで良い結果を得られない理由などない。シティは自分たちの勝利を決める試合、と位置付けるだろうが、ウチにだって同じことだ」

ロベルト・マンチーニ:「いつだって有利なのはユナイテッドだ。ウチよりも3ポイント多いし、残り試合もウチほどの大変さではない。ウチの方がタイトルに近いとは思わない。ダービーは良い試合だろうが、ユナイテッドの方がチャンスは大きいよ」

ナニ:「エヴァートンには勝ちたかったから、選手の間にも怒りはあるよ。4失点にはガッカリ来ている。タイトルの可能性はまだあるわけで、自分たちのクオリティを信じ続けないとね。シティ戦は大一番だね。最高の雰囲気になると思う」

ジョー・ハート:「僕らは自分たち自身のことに集中している。確かにタイトルの可能性はいくらかマシになった。準備はできてるし、ゴールも量産して雰囲気は良いよ。ダービーを楽しみにしている」

アラン・シアラー(BBC マッチ・オブ・ザ・デー解説者) :「シティは勢いに乗っていて、まさに今調子を戻してきた。もう終わったと思っていたが、状況は毎週のように変わっている。どちらかを選べと言われれば、ユナイテッドを選ぶがね」

ロビー・サヴェージ(BBC マッチ・オブ・ザ・デー解説者) :「今でも有利なのはユナイテッドだと思うね。FAカップの試合じゃエティハドでユナイテッドが勝ったし、アウェーでのニューカッスル戦はシティには難しい試合になる」


チームの調子

勝った相手の大半が下位チームだったとはいえ、ユナイテッドはこの15試合を2分け1敗で乗り切ってきている。

最近のウィガンへの敗戦は、アストン・ヴィラへの勝利でカバーされたが、エヴァートン戦で見せたシーズン序盤を思わせる守備の脆さには、再び何らかのリアクションが求められることになるだろう。

対照的に、2アシストに自らも1ゴールを決めたナニはフレッシュな状態にあり、ウェイン・ルーニーとダニエル・ウェルベックのコンビは、ユナイテッドに活力をもたらしている。

カルロス・テヴェスの復活は、シティの運気の好転と時を同じくしている。依然マンチーニはゴール前での慎重さを求めてはいるが、彼のセルヒオ・アグエロとのコンビは、 見る者の目を引き付けている。

3月に訪れた3試合未勝利の躓きは、より心理的な所に原因があり、タイトル争いの経験の不足によるところが大きかった。しかし、それも今では乗り越え、シティは「狩られる」側から「狩る」方へと姿を変えている。

監督の心理戦

ロベルト・マンチーニは、プレミアリーグ制覇に向けて有利なのはユナイテッド、としきりに主張するが、ノリッジ戦の後には、そのスタンスが選手たちに「監督が間違っていた」と奮起するのに役立てば良い、とも言っていた。

今や3ポイント差でバカバカしくも聞こえるが、ユナイテッドが揺らぐようにトリックを仕掛けているようにも見える。

ファーガソンはウィガン戦の敗戦は受け入れていたが、エヴァートン戦の後にはあまり寛大さが感じられなくなっていた。そして、守備での問題点に焦点を当てることで、少なくとも2失点には責任のあるラファエルやリオ・ファーディナンドに目先を向けた。

それでも様々な状況下でのタイトルに向けたチームの活性化においてはファーガソンに一日の長がある。問題は、今のチームがそれに応えられるチームなのかどうかだ。

近年の状況

オールド・トラフォードでの6-1の試合のシーンは、多くのTV局でも月曜の試合に向けて使われていることだろう。

その試合での急先鋒だったマリオ・バロテッリの出場は微妙だが、それでもFAカップでの敗戦はヴァンサン・コンパニが不在だったこともあり、心理的は優位性はまだ持っているだろう。

ユナイテッドもそのオールド・トラフォードの試合でジョニー・エヴァンスが退場になっており、もしかすると、どちらが11人をピッチに残せるか、という問題になるかもしれない。

もうひとつの重要な側面は、ユナイテッドはシティと違って必ずしも勝たねばならなくはない、ということだ。 しかし、エヴァートンとの試合を見て、マンチーニもトフィーズの5人の中盤がどのようにポール・スコールズとマイケル・キャリックの間のスペースを突いたのか、という点に興味は示すだろう。

「ノース・イースト」の要因

ファーガソンが、彼にとっての最大のダービー、と言ったことで、騒ぎは一層大きくなるだろう。しかし、エティハド・スタジアムで何が起きようと、その先にはどちらにプレミアのトロフィーの行方が転ぶかを決める難しい試合が待ち構えている。

マンチーニが言うように、対戦相手が楽なのはユナイテッドであるようにも見える。ホームでのスウォンジー戦と、アウェーのサンダーランド戦だ。ブレンダン・ロジャースのスウォンジーは、今季は良い出来だが、アウェーの戦績はいまひとつ、サンダーランドはここ4試合無得点だ。

シティはこのダービーの後、リーグでもトップクラスの調子を誇るニューカッスルと対戦する。その後は、トッテナム、アーセナル、リバプールを下し、降格から逃れるべく戦っているQPRを迎えることになる

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この「ユナイテッド有利」のマンチーニのコメントにマーティン・オニールが噛み付いてて、本当にユナイテッドにひと泡吹かせられるなら、それも面白いところではある。個人的にはこれは第3者の立場で楽しめるから良いけど。

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