Saturday, August 18, 2012

プレミアリーグ新シーズン、各クラブの展望

いよいよ開幕するプレミアリーグの2012-13シーズン。今年はユーロと五輪もあってオフシーズンが少々長めだったこともあって、随分待ち遠しい気分だった。

この時期には、各チームごとの夏の補強の動きやプレシーズンでの動向を含めた詳細なプレビューがクラブごとに出るものの、それをひとつずつ紹介するのは大変。コンパクトにまとまったもの、かつ移籍関係ばかりに特化しないものがあまり出て来ず、ここで選択したのは「BBC」によるもの。

BBCの各クラブの番記者やラジオ番組担当者が、オフの動きとシーズンの展望を順々に語っている。


++(以下、要訳)++


新たな9ヶ月間の興奮、ドラマ、論争、歓喜と失望への準備はいいか?プレミアリーグが帰ってきた。

王者マンチェスター・シティは、ライバルのユナイテッドの挑戦を抑えることができるだろうか? チェルシー、トッテナム、リバプールは皆監督を変え、昨季からの向上を図っている。アーセン・ヴェンゲルはアーセナルでのタイトル挑戦にどう取り組むのか?

昇格してきたサウサンプトン、レディング、ウェストハムの目標は残留だが、同様に苦しむことも予想されるノリッジ、スウォンジー、ウェストブロムはいずれも新監督を迎えている。

開幕を前にBBCスポーツでは、各クラブの準備状況を分析し、新シーズンに向けた各クラブのガイドとしてここにまとめた(アルファベット順)。

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アーセナル(イアン・ヒューズ氏)

アーセナルには厳しい教訓から学んだ様子が伺えた。

昨シーズンはセスク・ファブレガスとサミ・ナスリの代役を見つけられなかったことが、シーズンがロクに始まらないうちに崩壊してしまう原因となった。プレーヤー・オブ・ザ・イヤーをダブル受賞したロビン・ファン・ペルシがマンチェスター・ユナイテッドへと移籍し、再び最高のタレントを失ったかもしれないが、今回は既に3人の代表選手 -ルーカス・ポドルスキ、オリヴィエ・ジルー、そして中盤のサンティ・カソルラ- を補強していた。

そして守備の脆さが昨季のリーグ49失点となって現れたが、元ガナーズのセンターバックであるスティーブ・ボウルドがその立て直しを担当し、ここにも手が打たれつつある。

加えて昨季をケガで棒に振ったジャック・ウィルシャーの復帰も見込まれ、昨季3位のフィニッシュよりも上に行ける、そして7年間の無冠時代に終止符が打てるという楽観できな見方も正当化できるのではないか。


アストン・ヴィラ(フィル・メイデン氏)

クラブ史上ワーストとなるホームの戦績となったアレックス・マクリーシュとの1年を経て、ファンはポール・ランバートの就任が、ヴィラ・パークに明らかに欠けていた興奮を再びもたらしてくれるのではないかと期待している。

ヴィラはマーティン・オニールの辞任以降、順位表の上位争いに加われずにおり、出費を削ってきているオーナーのランディ・ラーナーも、ランバートにクラブの威信回復を期待しているはずだ。

プレシーズンでも好調だったカリム・エル・アーマディは中盤のキーマンとなりそうで、マクリーシュ時代にボスマン・ルールで加入したブレット・ホルマンも得点力不足に泣いたヴィラの有効な攻撃のオプションだと証明するかもしれない。

チームの移り変わりにはもう1年かかるかもしれないが、ヴィラ・ファンは予算に限りはあれど、今回は将来の成功に導いてくれる監督が来たはず、と望んでいることだろう。


チェルシー(オーウェン・フィリップス氏)

今季は遂にフェルナンド・トーレスが真価を発揮する時になるのか?ディディエ・ドログバの退団とロメウ・ルカクのローン移籍は、ロベルト・ディ・マテオがそう考えていると思わせるものだ。このイタリア人監督はチャンピオンズリーグ制覇によってフルタイムのポジションを与えられたが、リーグ戦での不振は、今季のプレミアリーグで結果を出す重圧となっている。

プレシーズンの成績はお世辞にも良かったとは言えず、才能ある中盤の3人がいたとしても、実証済みの「ドログバ・モデル」からの転換には時間を要するだろう。新加入のオスカルやエディン・アザールがフアン・マタにどうフィットするかは分からないが、トーレスのワントップであれば、上手くハマるのではないか。

明確な右サイドバックがいないものの、チェルシーの守備は安定しているように見え、フランク・ランパードの安定した影響力と疲れ知らずのラミレスのエネルギーは、中盤の良い基盤になっている。トーレスにボールを供給するシステムの確立と、そのスタイルで早期に自信を深めることが、チェルシーの今季のチャンスのカギとなるだろう。


エヴァートン(イアン・ケネディ氏)

エヴァートンを順位表のあれだけ上に届かせたデイビッド・モイーズは、今回も高く評価されて然るべきだし、リバプールより上だったことは、誰もが忘れないだろう。

昨季もシーズンを良い形で終えたことを考えれば、目標は今シーズンをポジティブな形で始め、1月以降の基盤とすることだろう。 それが可能であれば、ヨーロッパの舞台での存在感も維持できるようになるはずだ。

ニキツァ・イェラビッチの獲得で、彼らは直感的な才能を持ち、ドローを勝利に変えることができる男を得た。彼にレンジャース時代のパートナーであるスティーブン・ネイスミスが加わるのは心強い限りだ。

また、スティーブン。ピーナールを完全移籍で再獲得したことも非常に重要で、今季もカップで手強いエヴァートンがソリッドなシーズンを送るだろう。


フラム(ジョン・スタントン氏)

影響力の大きかったキャプテンのダニー・マーフィーがブラックバーンへと去ったのは中盤のクリエイティブな面での穴となっているが、多くのサポーターの懸念は、攻撃の2人、クリント・デンプシーとムサ・デンベレの動向だ。

両選手ともクレイヴン・コテージを去ることが継続的に噂されていて、今シーズンも彼らが残るかどうかがフラムの野心にも大きく影響してくる。

監督のマルティン・ヨルは、励みになるフラムでの1年目を過ごし、 プレシーズンからも若手の登用を積極的に行っている。ケリム・フレイやアレックス・カカニクリッチ、メサといったウィングたちの成長が活力をもたらし、新加入のムラデン・ペトリッチはプレシーズンでもゴールを量産して、長らく変わり映えの無かったチームでも際立っている。


リバプール(イアン・ケネディ氏)

リバプールの今季の目標は、リーグでの戦いぶりを大きく改善することで、恐らくトップ4への復帰を狙っているはずだ。カップ戦での勝ち上がりには勇気づけられたが、プライオリティは常にリーグであるはずだ。

ブレンダン・ロジャースの下でリバプールのスタイルがどう発展して行くかの判断はまだ待たねばならないが、何人かのトップ選手たちの去就は不透明なままだ。ファビオ・ボリーニとルイス・スアレスのコンビがどう機能するかも興味深い。

ロジャースはスウォンジーに華麗なフットボールをもたらしたが、それをチャンスでの決定力と共に持ち込めれば(そしてポストに当てないこと)、 多くのチームがヨーロッパを目指して戦うとは言え、そこでリバプールが競い合えない理由は無い。


マンチェスター・シティ(イアン・チーズマン氏)

夢のシーズンをどう超えるか?

それがシティがやらねばならないことだが、ブルーズがヨーロッパの巨人へと進化して行くのならば、その偉業を繰り返しつつ、チャンピオンズリーグでも終盤まで勝ち残る必要があるだろう。

選手層がいかに強固なものかは既に証明したし、カルロス・テヴィスも非常に集中した態度で戻ってきた。ワールドクラスの選手が新たに加入したようなものだ。移籍市場の締切前に守備と中盤に何人か補強できれば、彼らが去年よりも甘く考えたりしなければ、今シーズンを彼らに賭けないのは難しいだろう。

今のシティのスタッフからは一体感が感じられるし、タイトルの非常に有力な候補だと思う。


マンチェスター・ユナイテッド(ビル・ライス氏)

マンチェスター・ユナイテッドは2006年以来初めての無冠に終わったが、プレミアリーグはライバルのマンチェスター・シティに得失点差で届かずに逃した。

ネマニャ・ヴィディッチもケガから復帰し、彼らは良いシーズンを送って20度目のリーグタイトルを獲得したいと願っているだろう。

新たにボルシア・ドルトムントから1,700万ポンドで獲得した香川真司は中盤から狡猾さと創造性、そしてゴールの脅威をもたらし、トム・クレバリとアンデルソンは彼らのキャリアを妨げてきたケガを今季こそは避けたいと考えるだろう。

その重役を背中で語る役割はいつも通りウェイン・ルーニーであり、 彼のゴールがプレミアリーグの制覇とチャンピオンズリーグの決勝トーナメント進出をもたらすことが期待されている。


ニューカッスル(ラフル・シュリバスタバ氏)

ニューカッスルは昨季のニューカッスルのサプライズであり、セネガル人ストライカーのパピス・シセが1月にドイツのフライブルクから移籍して14試合で13ゴールを決めた昨季の破壊力を維持できるならば、マグパイズは再びヨーロッパの舞台を争うインパクトを残せるだろう。

監督のアラン・パーデューは、主力が引き抜きやケガも無く開幕を迎えることができて胸を撫で下ろしているだろう。そして、昨季の大半を負傷で棒に振ったディフェンダーのスティーブン・テイラーやウィングのシルヴァン・マルヴォーを使うこともできる。

しかしながら、新たに加わったのは将来を嘱望される若手が中心で、選手層の厚さは 懸念材料だ。ヨアン・カバイェやファブリシオ・コロッチーニ、チェイク・ティオテのような主力がケガで長期離脱することが起きれば、昨季の輝かしい進歩も中位争いへと姿を変えてしまうだろう。


ノリッジ・シティ(ロブ・バトラー氏)

ポール・ランバートのアストン・ヴィラへの流出がどれだけのノリッジに影響するかは予測が難しい。監督の座を引き継いだのはクリス・ヒュートンだが、彼はクラブの幹部の第一候補として信念をもって支えられている。彼の最初の任務は、12位で終えた素晴らしい昨季の中で唯一の難点だった守備の穴を塞ぐことだ。

この夏、もうひとつの特筆すべきニュースは、クラブの守護神ともいうべきキャプテンでチーム得点王のグラント・ホルトをキープできたことだ。イングランドの希望でもあるホルトはシーズンの終わりに移籍志願書を出し、昇格してくるウェストハムが興味を示したとも言われている。それでもホルトは心を変え、新たに3年契約を締結した。

カナリーズの主たる目標は今季も残留だろうが、ファンはヒュートンと共にウェンブリーを目指すことを歓迎するだろう。


クイーンズ・パーク・レンジャース(アンドリュー・ラウリー氏)

5月にやっとの思いで残留を果たすと、QPRは同じ状況に巻き込まれないように機敏に動いた。マーク・ヒューズは昨季の後半にもボビー・ザモラ、ジブリル・シセ、ネダム・オヌオハと補強したが、さらにロバート・グリーン、ライアン・ネルセン、パク・チソン、アンドリュー・ジョンソンを加えてチームに経験をもたらしている。

グリーンは退団したパディ・ケニーの位置にそのまま入るだろうし、パクがチームにもたらすものも興味深い。そして昨季欠いていた切れ味をもたらすために、ジュニオール・ホイレットの獲得競争にも競り勝った。昨季66失点の守備の強化には、マンチェスター・ユナイテッドからローンで 獲得したブラジル人サイドバック、ファビオ・ダ・シルバが貢献する。

昨季終盤の15試合で6枚のレッドカードを受けた規律面での改善も今季は見込めるだろう。


レディング(エイドリアン・ウィリアムス氏:ロイヤルズの元キャプテン)

チャンピオンシップで王者に輝き、レディングに復活の時が来た。監督のブライアン・マクダーモットの下で、マデイスキ・スタジアムには6人の新戦力が加わってきたが、そのひとり、ニック・ショーリーは既にロイヤルズのレジェンドとなりつつある。

左サイドバックのポジションは、イアン・ハートにポジションを明け渡す雰囲気は無く懸念する必要が無いだろうし、 ゴールでホームの観客を喜ばせたいと考えているパヴェル・ポグレブニャクには期待をかけて良いだろう。しかし、注目すべきはその相方のジェイソン・ロバーツだ。1月に加入して以来の昨季の勢いを維持したいと考えているだろう。

サー・ジョン・ マデイスキ氏はクラブの51%をアントン・ジンガレヴィッチ氏に売却したが、マデイスキはレディングのファンにクラブは安泰だと伝えている。マッド・スタッド(マデイスキ・スタジアム)の安泰といえば、最初に浮かぶのはアダム・フェデリチの名前だ。今季の多くはこのオーストラリア人ゴールキーパーにかかっているし、公平に見れば皆彼には忙しいシーズンになると考えるだろう。


サウサンプトン(アダム・ブラックモア氏)

セインツは7年の不在を経て、勢いと共にプレミアリーグに帰ってきた。ナイジェル・アトキンスに率いられて2シーズンで2度の昇格は、素晴らしいチーム・スピリットと会長のニコラ・コルテセからの支援の賜物だ。

サポートは今オフも続いていて、ジェイ・ロドリゲスやスティーブン・デイヴィスの補強からもそれはうかがえ、さらにピッチ外でもクラブの長期的な基礎を築いて行っている。

彼らの今季の野望は残留に超えた所にあり、評論家の一部がすぐに降格すると予想しているものの、そうなるとは思えない。


ストーク・シティ(マット・サンドス氏)

ヨーロッパ探検後のストークのシーズン後半は失速に終わり、ポッターズは2008年のプレミア昇格以来最低のポイント数と最低の順位でフィニッシュした。加えて、このオフにはほとんど動きが無かったことから、ファンは降格争いに巻き込まれるのではないかと懸念している。

最初の7試合でトニー・ピューリスがある程度のポイントを確保できなければ、その恐怖心はますます増して行くだろう。最初の難所は、昇格してきたレディングとのアウェー戦、その後の6試合にアーセナル、マンチェスター・シティ、チェルシー、リバプール、マンチェスター・ユナイテッドとの対戦が含まれているのだ。

ストークのこのプレシーズンの過ごし方は、彼らがそのダイレクトなプレー・スタイルを変える可能性は無いということであり、今季もホームでの戦績が残留に大きく影響するだろう。


サンダーランド(ニック・バーンズ氏)

これだけ開幕が近付いても移籍市場で動きが少ないことが、サンダーランドのファンを心配させていることは間違いない。しかし、マーティン・オニールは、自分がどれだけソリッドな選手層を引き継いでいるのかを理解している。

昨季から続いている弱みはストライカーのポジションだが、プレシーズンは再び前線の駒不足に焦点が当たった。コナー・ウィッカム、ジ・ドンウォン、フレイザー・キャンベルというのは答になっておらず、ステファン・セセニョンはストライカーのパートナーを強く求めている。

昨季の終盤13試合で僅かに2勝だったことは懸念材料であり、データの専門家はその流れは今季も続くと考えるだろう。スティーブ・ブルースは、昨季最初の13試合で2勝しかできずに解任された。補強が叶わないのなら、スタートダッシュが肝要だ。それでもオニールは既に実績を証明済みの監督であり、サンダーランドは今季も中位で終えられると見ている。


スウォンジー(サイモン・デイヴィス氏)

スウォンジー・シティは新監督と共にシーズンを迎えるが、それがかつての世界でも偉大な選手の1人であるという点が、クラブの進歩を表している。

それでも、ミカエル・ラウドルップにはタフな任務が待っている。前任者のブレンダン・ロジャースはリバプールに引き抜かれる立派な仕事をした上に、ジョー・アレンをそのままリバプールへと連れて行ってしまった。ローンで加入していたアイスランド人のギルフィ・シグルズソンは新シーズンはトッテナムでプレーすることを選択した。18試合で7ゴールを決めた彼の不在は大きいだろう。

中盤のミチュやジョナサン・デ・グズマンはプレミアリーグは初めてだが、リーガの経験があるし、それはディフェンダーのチコ・フローレスも同じだ。

ブレンダン・ロジャースがスウォンジーの精神的な支柱でもあったことを考えれば、昨季11位を再現するのは非常に難しい。しかし、変化が悪いことだと誰か言っただろうか?


トッテナム(ジェイミー・リリーホワイト氏)

この夏のレーンは全てが変わる。新体制に新ユニフォーム・サプライヤー。アンドレ・ヴィラス・ボアスがトラウマとも言えるチェルシー時代から何を学んだのか、そして過去3シーズンで2度4位に入ったハリー・レドナップよりもチームを改善できるのか、大きな関心が集まるだろう。

チームの質に不足は無いが、ルカ・モドリッチの将来は未解決で、エマニュエル・アデバヨルとは完全移籍で合意できていない。レドリー・キングの引退は痛手だが、ファンの人気が高かった彼に悪い結果をもたらしたのはケガだった。ファンは、ベルギー人のヤン・フェルトンゲンが再びフィットしたマイケル・ドーソンと強力な守備のパートナーシップを築くことを期待しており、ギルフィ・シグルズソンの獲得も抜け目ない補強だったと証明されるだろう。

1月の補強は、スパーズのファンには刺激に欠けるものだったが(30代のライアン・ネルセンやルイ・サハは彼らが望んだ選手ではなかった)、会長のダニエル・リヴィは8月31日の締切前にビッグネームを連れてくることができるはずだ。


ウェストブロム(デイビッド・グリーン氏)

2011-12シーズンは、アルビオンのサポーターには素晴らしい1年だった。ライバルであるウォルヴズとの5-1を含む、数多くのアウェーでの勝利は、ロイ・ホジソンの拙いホームでの戦績を隠すには十分だったし、2シーズン続けて中位で終えることにもつながった。

 ミッドランドで最高位につけるクラブとして脚光を浴びつつも、プレミアでの最高位を記録できるかということになると、依然疑念が残る。元々選手層が十分に厚いのか、代表監督へと去って行ったホジソンの知性が自分のウェイト以上の相手にもパンチを繰り出すことを可能にしていたのかはまだ分からない。

ベン・フォスターというワールドクラスのゴールキーパーがいるし、アルゼンチン人のクラウディオ・ヤコブとチェルシーのロメウ・ルカクの獲得は素晴らしい補強。 今季の行方の多くは、監督としての初仕事となるスティーブ・クラークのハンドルさばきにかかっている。

ファンはカップ戦での勝ち上がりとトップ10フィニッシュを望んでいるだろうが、スタートで失敗すればクラークはその期待に応える難しさを痛感するだろう。


ウェストハム(フランク・キーオ氏)

クラブはプレミアリーグへの残留とオリンピック・スタジアムへの移転という、ピッチ内外でクラブとして重要な局面に入っている。

アップトン・パークのコアな層は、サム・アラーダイスのフットボールのスタイルに疑問を持って「俺達は地面でプレーするんだ」とチャントを送っていたが、プレーオフを経て昇格を達成することで寛容になって行った。

アラーダイスには好スタートを切るチャンスがある。最初の6試合は、昨季のプレミアでトップ8に入れなかったチームとの対戦だからだ。この10年間でハマーズは2度降格を味わっており、ファンはウィガンから獲得したボール奪取能力に長けるモハメド・ディアメのような補強がチームに安定感をももたらしてくれることを期待している。

攻撃面では、アンディ・キャロルの獲得に失敗したことから、マリ人フォワードのモディボ・マイガにかかる期待は大きい。一方で、ゴールキーパーのロバート・グリーンがQPRへと移籍してしまったのは痛手となるだろう。



ウィガン(ポール・ラウリー氏)

ウィガン・アスレティックの、唯一トップリーグから一度も降格したことのないクラブとしてのおとぎ話は、プレミアリーグ8年目の今季も続く。これは15年前には4部相当にいたクラブとしては驚くべき偉業なのだ。

ラティックスは、昨季の終盤9試合で7勝して降格を免れた勢いそのままに今季開幕を迎えたいと考えているだろう。マンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アーセナルを撃破した歴史的勝利快進撃や4-0で圧勝したニューカッスル戦は良い目安になるだろう。

ウーゴ・ロダジェガとモハメド・ディアメはフラム、ウェストハムへと移籍し、ヴィクター・モーゼスもチェルシーへの移籍が繰り返し取り沙汰されている。

リバプールやアストン・ヴィラからのアプローチがありながら、ロベルト・マルティネスは任期4年目に入り 、レアル・マジョルカから同じスペイン人のイヴァン・ラミスを補強し、未開のスコットランドの市場からはアバディーンの19歳、フレイザー・ファイヴィーを連れてきている。


++++

という形で、20クラブ分のBBC担当者のコメントを紹介したけど、順位めいたものが無いと、開幕前の予想としては若干淋しいので、それは「ガーディアン」紙の先週末(なのでRVP移籍決定前)の記事から拝借。順位については特定の記者ではなく、スタッフの平均値で算出しているとのこと。

※カッコ内は(優勝オッズ/降格オッズ)

1. マンチェスター・シティ(2.4倍/3,001倍)
2. マンチェスター・ユナイテッド(3.8倍/3,001倍)
3. チェルシー(6.5倍/1,501倍)
4. アーセナル(15倍/751倍)
5. リバプール(34倍/251倍)
6. ニューカッスル・ユナイテッド(201倍/51倍)
7. エヴァートン(251倍/34倍)
8. トッテナム・ホットスパー(41倍/251倍)
9. QPR(3,001倍/6.5倍)
10. サンダーランド(1,251倍/13倍)
11. ストーク・シティ(3,501倍)
12. アストン・ヴィラ(2,501倍/9倍)
13. ウェスト・ブロミッジ・アルビオン(3,501倍/5倍)
14. フラム(2,501倍/12倍)
15. ウェストハム・ユナイテッド(5,501倍/3.3倍)
16. スウォンジー(4,501倍/3.3倍)
17. ウィガン・アスレティック(6,001倍/2.8倍)
18. ノリッジ・シティ(5,501倍/2.6倍)
19. レディング(10,001倍/2.2倍)
20. サウサンプトン(7,501倍/2.4倍)


なんと我らがスパーズは8位の予想、優勝オッズで見ても6番目。まぁ、期待が低い方が結果は良いかもしれないけど・・・。

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