Thursday, August 30, 2012

移籍市場最終日のプレミア各クラブに必要なもの

毎年恒例、8月末の移籍市場締め切りは、スカイをはじめとする各メディアの煽りもあって、常にドタバタ感と緊迫感の溢れる夜となる。締め切りは現地時間で金曜の23時。ドラマがどう動くか、現在の舞台設定を、BBCのフットボール主幹であるフィル・マクナルティ氏がまとめている。
 ※記事は29日の17時(日本時間の30日1時)にアップされたもの


++(以下、要訳)++

移籍市場のウィンドウが閉じるのは金曜の夜、ここまで出ている兆候は、各クラブの1月までの戦力を整える8月の大仕事が、全て狂乱の結末へと向かうものとなっている。

戦力補強には夏じゅう時間があったはずだが、プレミアリーグでの違いをもたらす戦力補強のために、いつもの駆け込みの買い物が行われることになるだろう。

あなたのチームの補強ポイントはどこだろうか?あなたなら誰を補強するだろうか?


アーセナル

アーセン・ヴェンゲルはロビン・ファン・ペルシとアレックス・ソングの退団、ルーカス・ポドルスキとオリヴィエ・ジルー、そして既に際立っているサンティ・カソルラの補強でひとまず変革のドアは閉じている。しかし、テオ・ウォルコットに退団の可能性が出てきたことで、仕事がまだ残ってしまった。

アストン・ヴィラ

新監督のポール・ランバートはアレックス・マクリーシュを引き継いだ後も限られた予算でやり繰りしているが、開幕の2試合を経て明らかになったのは、カギとなるポジションに補強が必要だということだ。プライオリティは、ダレン・ベントのゴールをアシストできる選手であり、それゆえゲンクのストライカー、クリスティアン・ベンテケの獲得に動いている。もうひとつは左サイドバックであり、ミドルスブラからジョー・ベネットを獲得したところだ。

チェルシー

エディン・アザール、オスカル、ヴィクター・モーゼスを獲得して、チェルシーの夏の豪勢な買い物はもう終わっている。ロベルト・ディ・マテオは金曜の夜にまだ攻撃の駒を揃えたいと思うだろうか?

エヴァートン

エヴァートンは、スティーブン・ピーナール、スティーブン・ネイスミス、そしてケヴィン・ミララスを獲得したが、上場のスタートを切って、デイビッド・モイーズはもう少し補強を進めたいと考えているようだ。中盤と攻撃の補強をしたいと考えていることから、リバプールのチャーリー・アダムやダンディー・ユナイテッドのストライカーであるジョニー・ラッセルの名前が挙がっている。マイケル・オーウェンはエヴァートンからの電話を待っていると言われるが、その兆候は今のところない。

フラム

フラムがトッテナムへと向かったムサ・デンベレの代役を見つけねばならないのは明らかで、サンダーランドのマーティン・オニールは、キーラン・リチャードソンへのオファーを受け入れたことを明らかにした。また、リヨンのバフェティンビ・ゴミスを650万ポンドで獲得するという話も出ているようだ。

リバプール

ブレンダン・ロジャースは戦力を追加するチャンスを得られるなら、非常に忙しくなるだろう。チェルシーのダニエル・スタルリッジとアーセナルのテオ・ウォルコットの名前は既に挙がっているし、ファンとしても補強をして欲しいと思っているエリアだ。前線にゴールの脅威がもっと欲しいのだ。

マンチェスター・シティ

シティのメイン・ターゲットは、エディン・アザール、ロビン・ファン・ペルシ、ハヴィ・マルティネス、そしてダニエレ・デ・ロッシだったが、誰一人やってこなかった。アブ・ダビのオーナーたちとロベルト・マンチーニには十分な資金があるが、移籍金やサラリーでもうひと押ししなかったことの現われだ。

センターバック、中盤中央、そしてアダム・ジョンソンが出て行ったウィングが、マンチーニが埋めたいと考えている穴だろう。ティーンエイジャーのセルビア人、マティヤ・ナスタシッチは守備に固さをもたらすだろうし、テオ・ウォルコットのアーセナルとの契約延長交渉が上手くいっていないことは関心をひくかもしれない。スコット・シンクレアをスウォンジーから連れてくる交渉は依然生きている。

マンチェスター・ユナイテッド

サー・アレックス・ファーガソンは、アーセナルからロビン・ファン・ペルシを補強して前線に大きな買い物をしたが、香川真司も既に中盤で存在感を出している。それでも、ファンは依然として中盤の発電所が欠けていると感じているだろう。多くのサポーターが、土曜のオールド・トラフォードでも印象に残るプレーをしていたフラムのムサ・デンベレの獲得でスパーズに競り勝てていれば、と望んでいた。しかしながら、ファーガソンは今の戦力で満足なのだろう。

ニューカッスル・ユナイテッド

今のところリバプールの元ニューカッスルのストライカー、アンディ・キャロルと、リールのディフェンダーであるマテュー・デビュッシへの関心に進展はなく、アラン・パーデューは昨季5位に導いた現有の戦力で満足しているのだろう。

ノリッジ・シティ

何とかQPRに勝って今季最初のポイントを得たノリッジだが、クリス・ヒュートンの大きな動きはもう終わっていると思われる。

クイーンズ・パーク・レンジャーズ

監督のマーク・ヒューズはプライオリティがどこにあるかを隠しはしなかった。開幕のスウォンジー戦で0-5で敗れると、トッテナムのマイケル・ドーソン、レアル・マドリッドのリカルド・カルヴァーリョの獲得に動いた。今のところそれは実を結んでいないが、驚きのインター・ミランのジュリオ・セザル獲得の動きは、ロバート・グリーンにプレッシャーをかけることになるだろう。資金は使うためにあり、すべきは補強。移籍市場の終盤に多忙に動くであろうQPRにご注目を。

サウサンプトン

数多くのセインツのファンが同じことを求めている。明らかに守備の強化が急務だと感じているのだ。

ストーク・シティ

監督のトニー・ピューリスは、スウィンドン・タウンとのリーグカップの試合に向けたマッチデー・プログラムで、自身の興奮を伝えている。「他にも選手たちを連れてこようと動いているところで、その方向で行けるなら忙しくなる」。

トッテナムのトム・ハドルストンは明瞭なターゲットで、彼のチームメイトであるマイケル・ドーソンにも注目している。また、ブラックバーンのスティーブ・ゾンジもレーダーにかかっているようだ。ピューリスは、公にマイケル・オーウェンを賞賛しているが、ストークが彼にプレミアで最後の輝きを見せる機会を与えられるだろうか?

サンダーランド

ウォルヴズのスティーブン・フレッチャー獲得とイングランド代表ウィンガーのアダム・ジョンソン獲得で大きな仕事は終わっているが、忙しい夏の終わりのスタジアム・オブ・ライトに他に新戦力到来の可能性はないだろうか?マーティン・オニールは、トッテナムのマイケル・ドーソンとフラムのクリント・デンプシーに大きな興味を持っている。それらの話をまとめられれば、チーム変革のための完璧なカルテットの補強となるだろう。

スウォンジー・シティ

新監督ミカエル・ラウドルップの下開幕2試合を無失点で乗り切ったが、マンチェスター・シティから620万ポンドを提示されたスコット・シンクレアの移籍が再び動き出すか、流動的な状況だ。クルーのキャプテンであるアシュリー・ウェストウッドの獲得に動いてもいるようだが、クラブが幸福感に包まれる今は、シンクレアの未来が明確になって欲しいところだろう。

トッテナム

ここからが本番だ。前任のハリー・レドナップ時代、トッテナムは伝統的に締切日に多忙を極めていた。しかし、ルカ・モドリッチをレアル・マドリッドに売却した今、会長のダニエル・リヴィが本気を出す狂乱の終盤には要注目だ。

ムサ・デンベレを獲得し、フランス代表GKのウーゴ・ロリスもターゲットだが、スパーズは筆頭ターゲットのホアン・モウチーニョをまだあきらめてはいない。マルセイユのロイク・レミーの名も挙がっており、CSKAモスクワのアラン・ザゴエフとシャフタール・ドネツクのウィリアンも視野に入っている。放出の方も要注目で、スパーズ・ファンは心の準備をすべきだろう。

ウェスト・ブロミッジ・アルビオン

新監督のスティーブ・クラークの下、開幕2試合で4ポイントを獲得し、ホーソンズではすべてが穏やかに見えるが、クラークはディフェンダーの層を厚くしたいと考えている。ブラックバーンのマーティン・オルソンを狙っていると言われ、エヴァートンも狙うFCコペンハーゲンの左サイドバック、ブライアン・オヴィエドも追っている。

ウェストハム・ユナイテッド

サム・アラーダイスは多くの案件をまとめているが、リバプールのアンディ・キャロルについては行き詰ってしまった。もう1人のアンフィールドのスターで、元ハマーズのジョー・コールについては可能性がある。アラーダイスは可能な案件は積極的に動くだけに、終盤の動きからは目が離せない。

ウィガン・アスレティック

チェルシーにヴィクター・モーゼスを引き抜かれたのは痛手だが、監督のロベルト・マルティネスの手元には900万ポンドの資金が残っている。とはいえ、ファンは新戦力の補強については楽観的な様子だ。

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ということで、普段は賞味期限の長い記事を選ぶように心がけてるつもりながら、今回は極めて短いものをピックアップしてしまった。それでも、これがアップされてからも状況は動いていて、夜が明ければすべて決まっているのは分かっていても、ついつい追ってしまう。今年の夏はヘリコプターで飛ぶ選手は出てくるだろうか?

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